シークエンス

シー・クエンス
仕事ものがたり

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われわれは黒子であるべき。

「ここにこうして書き記すことさえ躊躇する」と藤井は苦笑する。何が?というと、黒子であるべき宅地開発業の会社が、表立って発言したり目立ったりする必要はないと考えているのである。シー・クエンスという企業のことをはじめて知る人のために、会社のこと、創業者のこと、考え方などを紹介したい。そのためにホームページに掲載する、ということを説明してやっと、こうして[シー・クエンス仕事ものがたり]としてまとめることに理解をもらっている。

宅地開発業は、宅地にととのえた後に、ハウスメーカーなどに土地を納入し、その上に住宅を建てる段階になってやっとはじめて一般消費者の目に触れる商品となる。つまり宅地開発業は表に出ることがない。藤井にとって“表に出ることはないが確実に役に立っている”という宅地開発のスタンスは「これこそ自分のあり方だと思った」という。金融系の企業で長く営業をしてきたがゆえに、人生の哀しみや憂いをたくさん見聞きしてきた。たとえ営業成績が良くてもそれが幸せとは限らない。数字だけが一人歩きするような競争社会に自分のモチベーションは保てない、と思ったのだそうだ。

だからこそ、表に出ることなく、人の役に立つことを影で支える仕事をしてみたいと強く願ったのだという。