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その土地の、土を舐められるか!?

土地の情報が出る。現地へ視察に行く。これが商品になる土地かどうかを見極める。測量や採寸をし、地域の条例や法令を調査して整合性を確かめ、事業採算がきちんととれるかどうかを判断する。宅地開発の仕事を大まかに説明するとこんな流れである。そして、この土地は宅地開発できる、と最後に判断する時に、藤井が必ずしていることとは、なんと、その土地の土をすくって、舐めてみることだというのだ。

もちろん舐めたところで土の専門家ではないので、土質がわかるわけではない。では一体なんのためにそれをするかというと“本当にこの土地を自分が預かっていいのか、この土地を流通させていいのか?”と自己に問うためだという。土を舐めることができるほど、土地を信じ、覚悟をもって臨めるか?新しい土地に出会うたび、これを儀式のように繰り返している。

宗教儀式でもなければ(笑)、土質研究者でもない。藤井の覚悟を自問自答する瞬間の行動である。