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酒とバラの日々、ではなく、土を舐める日々

以前のコラムでも何度か、土をなめる、という話を書いてきた。藤井は、はじめての土地に出会った時、そしてその土地を地主さんから預かって、宅地化しようと決める時に、必ず土を口にふくんで舐めてみる。それは、目の前の土地に対してきちんと向き合って、必ず良い宅地に開発し、住まいを求めるご家族たちに提供するのだ、と決心と覚悟を決めるため。そしてもうひとつの理由は、実際に土を舐めてみて、おいしいと思うことのできるかどうかを確認するため、である。

藤井によると、草木や微生物が土に還りできた土地の土は、科学的なものが入っていないのでおいしいと感じるのだそうだ。逆に、科学的な処置をされたり、薬をまかれた土地の土を舐めると違和感を覚えるのだ、と。

酒とバラの日々とは、アルコールに溺れていくカップルを描いた映画のタイトルだが、もともとアルコールを飲まない藤井は(笑)、土を舐める日々、を送っている。