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映画『国宝』について

映画『国宝』が公開から3ヶ月を経て、興業収入133,3億円、動員946万人という異例の数字を記録している。カナダ・トロントの国際映画祭でも大きな話題となり、今後はアメリカのアカデミー賞国際長編映画賞の日本代表にも選出されている。原作は吉田修一による同名の小説で、極道と梨園という別々の世界で育った2人が芸の道に人生を捧げていく50年の物語。原作と映画では当然ながら内容が異なるが、いずれも歴史的な大ヒットとなっている。感想は人それぞれ違うだろうが、少年から壮年になるまでの50年を、しかも歌舞伎という特殊な世界に生きる人間の人生を描いた物語は、魂が震えるような感動をもたらしてくれる。ハリウッド的なハッピーエンドではないところもいい。会社を経営するとか、大きなプロジェクトに命をかけるとか、何かしらの仕事をやり遂げた経験を持つ者は、映画に自己を投影してしまうのではないだろうか。