シー・クエンス
仕事ものがたり

母が元気でいてくれる幸せを噛み締める
去る5/10は母の日だった。藤井の母は某施設でお世話になっているので、毎年この日には、母の施設に入居しているすべての女性にカーネーションの鉢を送ることにしている。以前にこのことはこのコラムでも書いているが、藤井にとって母は、人生においてもっとも大切な存在である。いや、おそらくすべての子にとって、母とは人生の最大の宝物なのではないだろうか。入居している女性の方すべてに花を贈っているのが藤井であることは、入居者は誰も知らない。あえて言う必要もない。すべての子を代表するつもりで、女性たちに感謝の気持ちを伝えているからである。還暦を過ぎた藤井にとって、今も母が元気でいてくれることがそれだけで幸せなこと。母を亡くしてから、母の日を迎えるのがさびしくなった、という友人の言葉を聞くにつけ、藤井はこのありがたい幸せを噛み締めている。一緒に食事をすれば母の口からは藤井へのお説教がはじまるので、藤井も時には苦笑いしたい気持ちになるが、母にとって藤井はいつまでも子どもだということなのだろう。それならば、母が元気なうちは、藤井も永遠の少年でい続けよう、と思うのだった。