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中日落語会で落語の真髄を味わう

先日、名古屋で第8回中日落語会が開催された。三遊亭兼好師匠と春風亭一之輔師匠による二人会で、プロデュースは山本益博さん。落語を知り尽くした山本さんならではのプロデュースで、おなかを抱えて笑う番組から、しっとりと聴かせる人情噺の緩急が見事だった。三遊亭兼好師匠は芸達者で、歌舞伎や和楽器などにも明るいため、細かな所作にそれがしっかり表されており、思わず拍手を重ねる場面がいくつもあった。さらに「お菊の皿」では、番町皿屋敷のあの有名な話がおもしろおかしくなり、お菊さんが井戸から出てくるがそれがアイドルのようになっているという抱腹絶倒ものの噺である。女性を演じさせたら一番!とプロデューサーの山本さんがいう通り、それはかわいいお菊さんになっていた。そしてトリは一之輔師匠の「唐茄子屋政談」。古典落語の代表的な一作で、一之輔師匠はそこにすこしのアレンジをつけて、それはそれは迫力のある一之輔節を披露した。予定時間を25分もオーバーする熱の入りよう。会場の幕が降りた後も永遠かと思うほどの拍手が鳴り止まなかった。教育譚の一面を持つこの番組で、多くの人が人生を振り返るきっかけにもなったのではないだろうか。たった1人で何人もの登場人物を演じ分け、扇子と手拭いだけですべての場面を表現し、観る人の頭の中で映像を作成させる、落語。世界中の芸能を見ても、日本の落語ほど高度な話芸は他にないのではないだろうか。今を生きる現代感覚を持った落語家の高座には、人生を生きるヒントが詰まっている。