シー・クエンス
仕事ものがたり
シー・クエンスは愚鈍なカメでありたい
♫ もしもしカメよ カメさんよ 世界のうちにお前ほど 歩みの遅いものはない どうしてそんなに遅いのか ♫
♫ なんとおっしゃる ウサギさん そんならお前とかけくらべ 向こうの小山のふもとまで どっちが先にかけつくか ♫
この文部省唱歌は誰しも一度は歌ったことのある童謡だろう。ウサギとカメがかけっこで競争するが、自信過剰のウサギが途中で昼寝している間に、カメは着実に歩みを進め、ウサギが目覚めた時には山のふもとでカメがゴールしていたというイソップ寓話がもとになっている。
「ウサギがカメに負けた理由、わかりますか?」と藤井が問いかける。「ウサギはカメを馬鹿にするあまりカメのことしか頭になかった。ところが純粋なカメはウサギのことは考えず、ただひたすらゴールを目指していた。見ている目的が最初から違っていたのです」
たとえ仕事がうまくいっていても決して慢心することなく、常に愚鈍なカメであれ。真面目に実直に、物事と向き合って進めていけ。それが藤井の仕事の信念である。