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経済を歴史に学ぶということ

歴史を知ることは経済を知ることでもある。頭ではわかっていても、現実にどうすればいいのか、教えてもらうチャンスは少ない。藤井は言う。なぜもっと歴史に学ばないのか?と。例えば、江戸の大半を焼いてしまったと言われている明暦の大火。江戸城や大名屋敷を消失し、死者も多く出て相当な被害だった。スッテンテンになってしまった江戸幕府は、何をしたか。通貨を作る時の金の含有率を変えることで、それまで2枚しかできなかった小判を3枚作ることができるように工夫をした。それを市場に流通させることで、経済政策としたのである。

「明暦の大火は、現代でいうならコロナではないかと思う」と藤井は話す。3年に渡るコロナの影響で、世界は疲弊し沈黙したけれど、今こそ歴史に学び、知恵をしぼって乗り越えなければいけない。若手経営者とともに時間をともにすることが多い藤井は、そんな話をしながら、自らも改めて歴史に学びながら自分を律し、心をこめて誠実に仕事をしていきたいと考えている。