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雄弁会に在籍していたこと

雄弁会とは、早稲田大学内の研究会の名前で、早稲田大学の創設者である大隈重信が主導して1902年に生まれた活動である。社会の進運に寄与する雄弁家を育成することが目的とされている。藤井は学生時代に、この雄弁会に属していたことがあり、そこでは数多くの知己を得た。都の西北・早稲田の杜で、藤井は弁論を響き渡らせていたのである。

ところが、ごく短い期間の在籍となってしまった。理由は「政治に興味をなくしたから」。いずれ今のままの民主主義は崩壊してしまうのではないか、と危機感を抱いたからなのだという。政治家がマジョリティを追求すると、それは弱者にいきついてしまう。それが民主主義のやり方として果たして正解なのか?そんな自問を繰り返した結果、自分には不向きであると判断して、雄弁会を脱退したのである。

しかしながら、今、藤井が個人的に若手経営者とともに定期的に食事する機会を持ち、そこで経済のことや文化のことを語り合う時間は、もしかすると令和の名古屋でおこなわれる雄弁会なのかもしれない。