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静岡と茨城、ふたつの空港に思う

静岡と茨城の空港は、完成した当初はひどいバッシングにあっていた。利用客が少なく、フライト数もなかなか増えなかったためである。無理やり空港を作って税金の無駄遣いであるとか、いろいろと言われたい放題だった。ところが、コロナが開けてから外国人観光客が日本に多く訪れるようになると、静岡は富士山という大きな観光資源で、茨城は日本リピーターに大人気の日光東照宮へのアクセスポイントとして、インバウンド需要が一気に膨れたのである。もちろん、両者の空港ともに、外国人観光客の需要は空港建設段階から予想していたはずである。首都圏ではない県の空港が、開港した途端に利用数が安定するということは、なかなかないだろう。それでも地域の観光資源を丁寧に地道に掘り起こしてPRしていくことで、需要は生まれるのである。

上っ面の判断ですぐに結論を出さずに、地域をきちんと見つめて資源を見つけ出していけば、必ずそこには宝物が眠っているということを、この2つの空港のエピソードから教えてもらったような気がする。脚下照顧(きゃっかしょうこ)。足元を照らしてよく見てみよう、という意味の言葉を、藤井は思い出している。