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北海道の国土開拓者「島義勇」に敬意を表して

島義勇(しまよしたけ)は、佐賀藩士の長男に生まれ、当時の未開拓地であった蝦夷(現在の北海道)の開拓を命じられて約二年にわたり、歩いて北海道を探検した人物である。その後、北海道のまちづくりを任され、札幌の都市計画の基礎をつくりあげたと言われている。藤井は、島義勇を表敬訪問する気持ちで、先日札幌に出かけた折には、北海道神宮にて国土開拓神、大国魂神に詣でた。島義勇が札幌をはじめて訪問した時の人口はたったの600名だったという。そこから現在に至る札幌の街並みの基礎を作っていったのである。当然ながら、当時は重機や測量機器などない時代。今よりもずっと寒く、雪で閉ざされることが多かったはずだ。鍬や鋤を使っての作業は、気の遠くなる工程だったに違いない。それから150年、200万人都市となる未来を、だれが想像しえただろう。こうした苦労を知る人は意外にも少ないのだそうだ。藤井は、同じく国土開拓に携る者として、無名である事が宿命なのだ、と感じたという。むしろ無名である事を矜持とし、無名である事に誇りを持っていたのではないかと。国土を開拓して、表に出ることなく無名でいるということ。これは藤井にとって至高の姿なのである。