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母の米寿に思うこと

藤井の母が、元気で健康に、先日米寿を迎えた。母の姉妹や親戚一同が会して、ともに祝いの食事をとり、なつかしくも楽しいひとときを過ごすことができた。ここでも何度も触れてきているが、藤井の両親は藤井が生まれてすぐに事情があって離婚し、藤井は母1人子1人で育ってきている。母は自分が栄養失調になるほど食べる物を切り詰めていたのに、藤井にはおなかいっぱいの食事を食べさせ、父がいないことの寂しさをほとんど感じさせずに、強くたくましく育ててくれた。今の藤井があるのは、100%が母のおかげだ、と考えている。その母が、88歳になった。食事もしっかりと食べられて、元気。藤井を女手ひとつで育ててきた強さは今も変わらずで、いまだに藤井が母からお説教されることがあるという。藤井にとって、これは本当に幸せなことである。時々、母と話をすることが、藤井にとっては自分の人生の原点に還ることであるという。前回のコラムで、祖母懐小学校跡地のことを書いたが、祖母懐という文字が藤井の心に強く残ったのは、そこにきびしくもやさしい母の面影を抱いたからかもしれない。