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十三夜を愛でる日

先月のコラムで、中秋の名月のことをテーマにしたところ、月にまつわるいろいろな話をあちこちでお聞かせいただくこととなった。やはり人は月を見ると詩人になるのだ。せっかくなので、今月ももうひとつの名月の話を。

今日10月15日は、十三夜。十三夜は旧暦の9月13日の夜の月のことで、前月の中秋の名月と十三夜の両方を同じ人と一緒に同じ場所で観ることを良し、とされていた。片方だけしか観ないと、“片見月”といって、縁起が悪いとか災いがおきるなどと言われてきたのだそうだ。一説によると、この片見月は縁起が悪いというのは花街から発祥したともいわれており、どちらの月にもお客に来てもらうための“つくられた縁起かつぎ”だったとも。

また十三夜には、豆名月、芋名月など別の呼び名もつけられており、文字通り、豆や芋が収穫できる時期であることを示している。昔の人々は、月にいろいろな思いや季節感をはせて、楽しみ、名付け、愛しんできたのである。今宵、十三夜、ぜひ名月をご覧いただきたい。