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仕事ものがたり

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誠実であること、決して忘れることのない思い。

藤井は、かつて勤めていた会社が倒産するという体験を2度も経験している。一つ目、大学を卒業して入社した証券会社。この企業の倒産劇はテレビで放映されたため、覚えている人も多いだろう。二つ目、世界規模の格付機関によるトリプルA評価を獲得していた損害保険会社は、退社して1年後に倒産した。いずれの企業も業界内ランキングは常にトップに座し、一流と言われた企業だった。なぜその2企業が倒産したのか。その企業に勤めていた人間として、藤井はこう振り返る。「証券会社は産業を育成することが、損害保険会社は社会を守ることが使命であるはず。ところが2社とも大意をいつのまにか忘れてしまって会社が大きくなることを目的にしてしまった。つまり誠実さに欠けていたんです」と。

だからこそ、自分の会社では、どんなに利益が出るようになっても、誠実さだけは決して失わないようにしたい。ゆみちゃんの短冊を見た時の思いを、住まいの夢を叶えるお手伝いをしたいという初心を、絶対に忘れてはいけない。それだけは、いつも自問し、社員にも伝えて意思を共有しているという。