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今年も七夕の季節に思い出したこと。

このコラムですでに何度も書いているが、7月になるとゆみちゃんの短冊を思い出す、と藤井は言う。2007年当時、やっと文字が書けるような年齢だったと思われるゆみちゃんは、今頃きっと成人して就職し、もしかすると実家を出て独立しているかもしれない。恋に悩んでいるかも。結婚が間近だったら、自分たちの家を買う夢を見ているだろうか。ゆみちゃんのお父さんは、ゆみちゃんが大好きなおばあちゃんと一緒に暮らす家を、買ってくれたのか。おばあちゃんは今もお元気でゆみちゃんの成長した姿を微笑ましく見ているのだろうか。今年も、気がつけば、七夕の季節にはそんな空想にひたってしまった。

会ったことのない少女の、たった一言の短冊で、藤井は人生を変えてしまったのだから、人生というのは、本当に不思議な縁がいっぱいつまっている。また、もしかしたら、藤井が知らない間に、他人に影響を及ぼすような言葉を書いたり言ったりしているかもしれないのだ。だからこそ、藤井は人の縁を大切にしたいと常日頃から語っている。