前回のコラムで、シー・クエンス株式会社の義務教育がやっと来春で卒業できそうであることをお話した。5年もの月日をかけて、事業が進むことに驚きの声をいただいた。宅地開発という事業には予想以上に時間がかかるということを改めて知ってくださった方がいたのだ。物件が大きくなるほど、宅地として開発するのには時間がかかるが、5年という年月は確かに長い。現代の経済社会においては、すぐに結果が出ることが求められているということもあり、年単位での計画に驚かれるのも無理はないだろう。

一方、文化というものは醸成されるのにも、知られていくにも非常に時間がかかるものである。大抵の場合、最初は何をやっているのかさえ理解されずに疎まれることさえあるが、それがだんだんと認知され、重みや深みがついてきた頃にやっと素晴らしい文化であると絶賛されるようになる。はじまりから認知までに場合によっては10年、100年とかかるものもあるだろう。それでもその技や芸や伝承が文化と呼ばれる日まで、その価値を信じて創造し続けるのがアーティストでありクリエイターなのである。わたしたちシー・クエンスも、先人の文化人に倣って、新しい住民となるご家族の暮らしを下支えできるよう、宅地開発という事業に取り組んでいきたいと考えている。